岩手県不動産市場動向アンケート|第31回調査(令和8年4月1日時点)
県内で取引・賃貸・鑑定に携わる不動産のプロフェッショナル215社が答えた、半年ごとの定点観測。
5エリアの「実感」と「予測」を、岩手県地図と天気マークで読み解く。
雨マークほど、市場は冷えている | DI=「上昇」−「下落」の回答割合(±100)
住宅地・商業地とも価格DIのプラスは実感・予測を通じて県央部のみ。住宅地は+5.9→+11.2へ再加速し、「県央一強」がより鮮明になった。
取引件数DIは住宅地・商業地とも全5エリアでマイナス継続。価格が上がる県央部でも、取引の「量」は細っている。
中古住宅価格DIは県央部+8.8に加え内陸北部が7期ぶりのプラス転換(+7.1)。新築価格の高騰が、中古への需要シフトを生んでいる。
住居系賃料の全域DIは+0.8とプラス転換。沿岸南部の入居率は−40.0→+15.0へ急回復した。売買より先に、賃貸が動き出した可能性。
価格DIのプラスは実感・予測とも県央部のみ。実感は+5.9→+11.2へ上げ幅が拡大した。一方で取引件数DIは全エリアでマイナスが続き、内陸北部の件数予測は−58.3と今回調査で最も厳しい見通しとなった。
| エリア | 価格・実感 | 前回比 | 予測 | 件数・実感 | 前回比 | 予測 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ⛈️沿岸北部 | −26.5 | ±0.0 | −35.3 | −28.1 | ▲ +0.5 | −31.3 |
| ⛈️沿岸南部 | −35.0 | ▼ −1.7 | −35.0 | −15.0 | ▲ +7.7 | −30.0 |
| ☀️県央部 | +11.2 | ▲ +5.3 | +3.8 | −15.4 | ▲ +2.9 | −19.5 |
| 🌧️内陸北部 | −14.3 | ▲ +2.4 | −14.3 | −33.3 | ±0.0 | −58.3 |
| ☁️内陸南部 | −3.3 | ▼ −1.9 | −6.7 | −21.3 | ▼ −2.6 | −25.0 |
| 県内全域 | −0.5 | ▲ +1.4 | −5.9 | −19.2 | ▲ +0.6 | −24.1 |
物価高で住宅が高騰し、住宅ローンが通らず、家が建たないため土地が売れない予想。
内陸南部|遠野市商業地は県央部+12.3が独走する一方、前回0.0の内陸北部が−8.3へ転落。中古住宅は県央部+8.8に加え内陸北部が+7.1と7期ぶりのプラス転換を果たし、件数も広く改善した。新築高騰による中古シフトが数字に表れている。
件数DIは全域マイナス(全域−20.1)。沿岸北部−43.8は全指標で最低
件数DIは県央部・内陸北部が横ばい(0.0)まで回復。沿岸も大幅改善
| 商業地 | 価格・実感 | 前回比 | 予測 | 件数・実感 | 予測 |
|---|---|---|---|---|---|
| 沿岸北部 | −34.4 | ▼ −11.1 | −34.4 | −43.8 | −39.3 |
| 沿岸南部 | −35.0 | ▼ −3.2 | −35.0 | −30.0 | −35.0 |
| 県央部 | +12.3 | ▲ +1.4 | +2.6 | −14.2 | −13.0 |
| 内陸北部 | −8.3 | ▼ −8.3 | −16.7 | −30.0 | −50.0 |
| 内陸南部 | −10.3 | ▼ −2.7 | −11.7 | −18.5 | −28.2 |
| 県内全域 | −3.8 | ▼ −3.0 | −9.0 | −20.1 | −23.5 |
| 中古住宅 | 価格・実感 | 前回比 | 予測 | 件数・実感 | 予測 |
|---|---|---|---|---|---|
| 沿岸北部 | −20.6 | ▼ −5.9 | −20.6 | −2.9 | −11.8 |
| 沿岸南部 | −30.0 | ±0.0 | −35.0 | −10.0 | −20.0 |
| 県央部 | +8.8 | ▼ −2.6 | +7.6 | 0.0 | +3.6 |
| 内陸北部 | +7.1 | ▲ +15.4 | +7.1 | 0.0 | −8.3 |
| 内陸南部 | −6.8 | ▲ +0.7 | −5.5 | −11.4 | −12.1 |
| 県内全域 | −1.8 | ▼ −2.0 | −2.1 | −5.1 | −5.3 |
新築戸建て、マンションの価格高騰で、中古物件を見に来るお客さんが増えた。──中古住宅の需要があるが、モノがない。
県央部|盛岡市住居系賃料DIの県内全域は+0.8とプラス転換(前回−2.5)。内陸北部は横ばいから+16.7へ跳ね、県央部も+9.5と3期連続のプラス。入居率DIは全域−11.4とマイナスながら前回(−18.5)から改善し、沿岸南部は−40.0→+15.0へ急回復した。
県内全域 +0.8 ── プラス転換
県内全域 −11.4 ── 前回 −18.5 から改善
住居系 入居率|回答内訳(%)
| その他不動産 | 賃料DI | 入居率DI |
|---|---|---|
| 沿岸北部 | −16.7 | −26.7 |
| 沿岸南部 | −16.7 | −11.1 |
| 県央部 | +9.2 | −7.2 |
| 内陸北部 | +8.3 | −8.3 |
| 内陸南部 | −7.3 | −20.8 |
| 県内全域 | −0.9 | −14.5 |
事務所・店舗等の「その他不動産」も、賃料は県央部・内陸北部でプラス。入居率の全域DIは−19.3→−14.5へ縮小した。
県南の一部エリアで、賃貸住宅会社のアパート建築が市場のバランスを崩し、賃料相場全体が下落する現象が生じている。
県央部|盛岡市震災直後は復興需要で沿岸部がプラス、県央部はマイナスという真逆の構図。R3以降は完全に逆転した。赤線=県央部、黒線=県内全域、灰線=その他エリア。右端の破線は予測。
売却相談が増え、仲介在庫が増加している。一方、買い手側はより慎重になっている。エネルギー危機の不安、先行きの不透明感が強くなり、よりマーケットは冷えていると感じる。
県央部|盛岡市 ── 売りが増え、買いが引く。今回調査を象徴する一言同じ地域でも立地により、格差が広がっている。
県央部|盛岡市駅・中心部など利便性が高い場所はやや上昇。郊外・農村部・空家が多い地域は下落。
内陸南部|花巻市住宅ローンが組めない。融資が通らないケースが増えてきている。
県央部|盛岡市物価上昇に伴い、融資の審査が通らない人が増えてきていると聞いている。
内陸南部|花巻市買い手市場のため、売価がどんどん下降している。
沿岸南部|陸前高田市関東圏の宅建業者から、収益物件の問合せが多くなっている。
県央部|盛岡市二戸駅周辺で土地区画整理事業が進行中。商業地域に住宅の新築が見受けられる。
内陸北部|二戸市アパート入居者に、外国籍の人が増えてきた。
県央部|盛岡市物件紹介文や顧客対応文の作成補助に活用し、業務効率化。最終確認は自身で行っている。
沿岸北部|宮古市リビング写真で、AIを使ったバーチャルステージングを使っている。
県央部|盛岡市盛土規制法の適用範囲を県内全土ではなく一部にしてほしい。ハザードマップを参考に。
県央部|盛岡市リノベーション補助があれば、中古住宅の流通がもう少し活発になると思う。
県央部|盛岡市CONCLUSION ── 第31回調査を終えて
「県央一強」はより鮮明に。それでも中古住宅・内陸北部のプラス転換と賃貸市場の底打ちの気配が、次の半年を読む鍵になる。
出典 第31回 岩手県不動産市場動向アンケート調査結果(令和8年4月1日時点/令和8年7月公表)─ 岩手県宅地建物取引業協会・全日本不動産協会岩手県本部・岩手県不動産鑑定士協会 地図 国土数値情報を5エリアに統合・簡略化 | 本レポートは原典データを再構成したオリジナル要約版。数値・引用はすべて原典に依拠し、引用は趣旨を変えない範囲で抜粋・整形した。 | 制作・発行 GREO合同会社