IWATE REAL ESTATE MARKET REPORT
VOL.31 — RELEASE 2026.08
00COVER

岩手県不動産市場動向アンケート|第31回調査(令和8年4月1日時点)

岩手の不動産は、
いま晴れか、か。

県内で取引・賃貸・鑑定に携わる不動産のプロフェッショナル215社が答えた、半年ごとの定点観測。
5エリアの「実感」と「予測」を、岩手県地図と天気マークで読み解く。

回答社数
215社 / 728社
回収率
29.5%
住宅地価格DI・県央部
+11.2実感
同・沿岸南部
−35.0実感
住宅地 価格DI(実感) R8.4.1
🌧️ ⛈️ ☀️ ⛈️ ☁️ 内陸北部 −14.3 沿岸北部 −26.5 県央部 +11.2 沿岸南部 −35.0 内陸南部 −3.3

雨マークほど、市場は冷えている | DI=「上昇」−「下落」の回答割合(±100)

01
価格のプラスは、県央部だけ。

住宅地・商業地とも価格DIのプラスは実感・予測を通じて県央部のみ。住宅地は+5.9→+11.2へ再加速し、「県央一強」がより鮮明になった。

02
取引は、全域で減っている。

取引件数DIは住宅地・商業地とも全5エリアでマイナス継続。価格が上がる県央部でも、取引の「量」は細っている。

03
中古住宅に、明かりが灯る。

中古住宅価格DIは県央部+8.8に加え内陸北部が7期ぶりのプラス転換(+7.1)。新築価格の高騰が、中古への需要シフトを生んでいる。

04
賃貸には、底打ちの気配。

住居系賃料の全域DIは+0.8とプラス転換。沿岸南部の入居率は−40.0→+15.0へ急回復した。売買より先に、賃貸が動き出した可能性。

調査概要 宅建協会・全日本不動産協会岩手県本部の会員728社対象/3協会共同・半年ごと実施/回答215社(回収率29.5%)/5エリア33市町村
出典 第31回調査(令和8年4月1日時点・令和8年7月公表)
主催 岩手県宅地建物取引業協会・全日本不動産協会岩手県本部・岩手県不動産鑑定士協会
制作・発行 GREO合同会社
岩手県不動産市場動向アンケート 第31回調査01 / 06
IWATE REAL ESTATE MARKET REPORT
RESIDENTIAL LAND
01RESIDENTIAL ─ 住宅地
01RESIDENTIAL LAND実感 R8.4.1 / 予測 R8.10.1

住宅地 ── 県央だけが、晴れている。

価格DIのプラスは実感・予測とも県央部のみ。実感は+5.9→+11.2へ上げ幅が拡大した。一方で取引件数DIは全エリアでマイナスが続き、内陸北部の件数予測は−58.3と今回調査で最も厳しい見通しとなった。

DI凡例 ☀️ +10以上 🌤️ +3〜+10 ⛅ −3〜+3 ☁️ −10〜−3 🌧️ −25〜−10 ⛈️ −25未満
価格DI(実感)R8.4.1
🌧️ ⛈️ ☀️ ⛈️ ☁️ 内陸北部 −14.3 沿岸北部 −26.5 県央部 +11.2 沿岸南部 −35.0 内陸南部 −3.3
取引件数DI(実感)R8.4.1
⛈️ ⛈️ 🌧️ 🌧️ 🌧️ 内陸北部 −33.3 沿岸北部 −28.1 県央部 −15.4 沿岸南部 −15.0 内陸南部 −21.3
エリア 価格・実感前回比予測 件数・実感前回比予測
⛈️沿岸北部 −26.5±0.0−35.3 −28.1▲ +0.5−31.3
⛈️沿岸南部 −35.0▼ −1.7−35.0 −15.0▲ +7.7−30.0
☀️県央部 +11.2▲ +5.3+3.8 −15.4▲ +2.9−19.5
🌧️内陸北部 −14.3▲ +2.4−14.3 −33.3±0.0−58.3
☁️内陸南部 −3.3▼ −1.9−6.7 −21.3▼ −2.6−25.0
県内全域 −0.5▲ +1.4−5.9 −19.2▲ +0.6−24.1

物価高で住宅が高騰し、住宅ローンが通らず、家が建たないため土地が売れない予想。

内陸南部|遠野市
岩手県不動産市場動向アンケート 第31回調査02 / 06
IWATE REAL ESTATE MARKET REPORT
COMMERCIAL & EXISTING HOMES
02COMMERCIAL ─ 商業地・中古住宅
02COMMERCIAL & EXISTING HOMES実感 R8.4.1 / 予測 R8.10.1

商業地は県央の独走、中古住宅は北へ広がる明かり

商業地は県央部+12.3が独走する一方、前回0.0の内陸北部が−8.3へ転落。中古住宅は県央部+8.8に加え内陸北部が+7.1と7期ぶりのプラス転換を果たし、件数も広く改善した。新築高騰による中古シフトが数字に表れている。

DI凡例 ☀️ +10以上 🌤️ +3〜+10 ⛅ −3〜+3 ☁️ −10〜−3 🌧️ −25〜−10 ⛈️ −25未満
商業地 価格DI(実感)R8.4.1
☁️ ⛈️ ☀️ ⛈️ 🌧️ 内陸北部 −8.3 沿岸北部 −34.4 県央部 +12.3 沿岸南部 −35.0 内陸南部 −10.3

件数DIは全域マイナス(全域−20.1)。沿岸北部−43.8は全指標で最低

中古住宅 価格DI(実感)R8.4.1
🌤️ 🌧️ 🌤️ ⛈️ ☁️ 内陸北部 +7.1 沿岸北部 −20.6 県央部 +8.8 沿岸南部 −30.0 内陸南部 −6.8

件数DIは県央部・内陸北部が横ばい(0.0)まで回復。沿岸も大幅改善

商業地価格・実感前回比予測件数・実感予測
沿岸北部−34.4▼ −11.1−34.4−43.8−39.3
沿岸南部−35.0▼ −3.2−35.0−30.0−35.0
県央部+12.3▲ +1.4+2.6−14.2−13.0
内陸北部−8.3▼ −8.3−16.7−30.0−50.0
内陸南部−10.3▼ −2.7−11.7−18.5−28.2
県内全域−3.8▼ −3.0−9.0−20.1−23.5
中古住宅価格・実感前回比予測件数・実感予測
沿岸北部−20.6▼ −5.9−20.6−2.9−11.8
沿岸南部−30.0±0.0−35.0−10.0−20.0
県央部+8.8▼ −2.6+7.60.0+3.6
内陸北部+7.1▲ +15.4+7.10.0−8.3
内陸南部−6.8▲ +0.7−5.5−11.4−12.1
県内全域−1.8▼ −2.0−2.1−5.1−5.3

新築戸建て、マンションの価格高騰で、中古物件を見に来るお客さんが増えた。──中古住宅の需要があるが、モノがない。

県央部|盛岡市
岩手県不動産市場動向アンケート 第31回調査03 / 06
IWATE REAL ESTATE MARKET REPORT
RENTAL MARKET
03RENTAL ─ 賃貸市場
03RENTAL MARKET賃料・入居率 実感 R8.4.1

賃貸市場 ── 売買より先に、底を打ったか。

住居系賃料DIの県内全域は+0.8とプラス転換(前回−2.5)。内陸北部は横ばいから+16.7へ跳ね、県央部も+9.5と3期連続のプラス。入居率DIは全域−11.4とマイナスながら前回(−18.5)から改善し、沿岸南部は−40.0→+15.0へ急回復した。

住居系 賃料DI(実感)R8.4.1
☀️ ☁️ 🌤️ ☁️ ☁️ 内陸北部 +16.7 沿岸北部 −10.0 県央部 +9.5 沿岸南部 −10.0 内陸南部 −6.7

県内全域 +0.8 ── プラス転換

住居系 入居率DI(実感)R8.4.1
☁️ 🌧️ ☀️ 🌧️ 内陸北部 0.0 沿岸北部 −6.7 県央部 −11.0 沿岸南部 +15.0 内陸南部 −17.9

県内全域 −11.4 ── 前回 −18.5 から改善

住居系 入居率|回答内訳(%)

沿岸北部−6.7
沿岸南部+15.0
県央部−11.0
内陸北部0.0
内陸南部−17.9
県内全域−11.4
大きく上昇 やや上昇 横ばい やや低下 大きく低下
その他不動産賃料DI入居率DI
沿岸北部−16.7−26.7
沿岸南部−16.7−11.1
県央部+9.2−7.2
内陸北部+8.3−8.3
内陸南部−7.3−20.8
県内全域−0.9−14.5

事務所・店舗等の「その他不動産」も、賃料は県央部・内陸北部でプラス。入居率の全域DIは−19.3→−14.5へ縮小した。

県南の一部エリアで、賃貸住宅会社のアパート建築が市場のバランスを崩し、賃料相場全体が下落する現象が生じている。

県央部|盛岡市
岩手県不動産市場動向アンケート 第31回調査04 / 06
IWATE REAL ESTATE MARKET REPORT
15-YEAR TREND
04TREND ─ 時系列分析
0415-YEAR TRENDH23.6 ─ R8.4 実感/R8.10 予測

15年の定点観測 ── 構図は「沿岸」から「県央」へ

震災直後は復興需要で沿岸部がプラス、県央部はマイナスという真逆の構図。R3以降は完全に逆転した。赤線=県央部黒線=県内全域、灰線=その他エリア。右端の破線は予測。

住宅地 価格DI実線=実感/破線=予測
-60 -40 -20 0 20 40 60 H23/6 H23/9 H24/4 R3/10 R4/4 R4/10 R5/4 R5/10 R6/4 R6/10 R7/4 R7/10 R8/4 予測 県央部 +11.2 県内全域 −0.5 内陸南部 −3.3 内陸北部 −14.3 沿岸南部 −35.0 沿岸北部 −26.5
商業地 価格DI実線=実感/破線=予測
-60 -40 -20 0 20 40 H23/6 H23/9 H24/4 R3/10 R4/4 R4/10 R5/4 R5/10 R6/4 R6/10 R7/4 R7/10 R8/4 予測 県央部 +12.3 県内全域 −3.8 内陸南部 −10.3 内陸北部 −8.3 沿岸北部 −34.4 沿岸南部 −35.0
中古住宅 価格DI実線=実感/破線=予測
-60 -40 -20 0 20 40 60 H23/6 H23/9 H24/4 R3/10 R4/4 R4/10 R5/4 R5/10 R6/4 R6/10 R7/4 R7/10 R8/4 予測 県央部 +8.8 内陸北部 +7.1 県内全域 −1.8 内陸南部 −6.8 沿岸北部 −20.6 沿岸南部 −30.0
チャートの読み方
県央部(赤)は3市場すべてでR3以降プラス圏を維持し、今回は上げ幅も再拡大。ただし予測(破線)は全系列で下向きで、現場は先行きに慎重だ。図にない指標では、住居系賃料DI(全域+0.8)がプラス圏へ浮上し、賃貸の底打ちを示唆する。
岩手県不動産市場動向アンケート 第31回調査05 / 06
IWATE REAL ESTATE MARKET REPORT
VOICES FROM THE FIELD
05VOICES ─ 現場の声
05VOICES FROM THE FIELD問9・問10・その他 自由記述より

現場の声 ── 数字の裏で、何が起きているか。

売却相談が増え、仲介在庫が増加している。一方、買い手側はより慎重になっている。エネルギー危機の不安、先行きの不透明感が強くなり、よりマーケットは冷えていると感じる。

県央部|盛岡市 ── 売りが増え、買いが引く。今回調査を象徴する一言

二極化する価格

同じ地域でも立地により、格差が広がっている。

県央部|盛岡市

駅・中心部など利便性が高い場所はやや上昇。郊外・農村部・空家が多い地域は下落。

内陸南部|花巻市

金利・融資の壁

住宅ローンが組めない。融資が通らないケースが増えてきている。

県央部|盛岡市

物価上昇に伴い、融資の審査が通らない人が増えてきていると聞いている。

内陸南部|花巻市

売り手と買い手

買い手市場のため、売価がどんどん下降している。

沿岸南部|陸前高田市

関東圏の宅建業者から、収益物件の問合せが多くなっている。

県央部|盛岡市

地域トピック

二戸駅周辺で土地区画整理事業が進行中。商業地域に住宅の新築が見受けられる。

内陸北部|二戸市

アパート入居者に、外国籍の人が増えてきた。

県央部|盛岡市

AI活用 ─ 新設問NEW

物件紹介文や顧客対応文の作成補助に活用し、業務効率化。最終確認は自身で行っている。

沿岸北部|宮古市

リビング写真で、AIを使ったバーチャルステージングを使っている。

県央部|盛岡市

行政への要望

盛土規制法の適用範囲を県内全土ではなく一部にしてほしい。ハザードマップを参考に。

県央部|盛岡市

リノベーション補助があれば、中古住宅の流通がもう少し活発になると思う。

県央部|盛岡市
AI活用は物件広告・チラシが最多 書類作成・資料要約 重説・特約の確認 「今後活用したい」の声が多数 要望は盛土規制法・空き家・物価高に集中

CONCLUSION ── 第31回調査を終えて

「県央一強」はより鮮明に。それでも中古住宅・内陸北部のプラス転換賃貸市場の底打ちの気配が、次の半年を読む鍵になる。

出典 第31回 岩手県不動産市場動向アンケート調査結果(令和8年4月1日時点/令和8年7月公表)─ 岩手県宅地建物取引業協会・全日本不動産協会岩手県本部・岩手県不動産鑑定士協会 地図 国土数値情報を5エリアに統合・簡略化 | 本レポートは原典データを再構成したオリジナル要約版。数値・引用はすべて原典に依拠し、引用は趣旨を変えない範囲で抜粋・整形した。 | 制作・発行 GREO合同会社

岩手県不動産市場動向アンケート 第31回調査06 / 06